ベナンあれこれ

2017-09-14

魔法の木

どうやらこの地域で栄養失調は大きな問題。
特に5歳以下の子供が栄養失調で亡くなることが多い。

死亡に至らなくても、栄養失調からくる体調不良や免疫力低下による疾病での来院も多いです。

そもそも、栄養とは何か、バランスのとれた食事とは何か、をみんな知らない。
私たちは小学校で栄養素、とか6つのグループとか、黄(ねつやちからになる)・緑(体の調子を整える)・赤(からだをつくる・肉や骨になる)とか、やりましたよね。


でもこっちの人々はそういった知識がないので、おなか一杯になることだけを考えて食事をすると、どうしてもマイスでできたもの(パットやアカサ)・芋・米・マカロニにソース付けて食べるだけだけ、という食生活になりがちです。

私たちはこれを見て「炭水化物しか食べてない」と分かるけど、村の人にとっては炭水化物が何かも、それだけ食べることがなぜ良くないことなのかも分からない。


学校で教えているのかな?教育系の隊員の皆さん、情報あったら教えてほしいです。
学校が始まったら、近くの小学校に行ったり、視学官行って聞いてみようと思います。
もし食育の様なことをやっていなかったら、それも活動の一つに入れていきたいです。


先輩隊員がベナンの国旗の各色(赤・緑・黄)にそれぞれ現地の食材をグループ分けして作った国旗型栄養素表があります。

赤は肉・卵・魚・大豆
緑は野菜・果物
黄はマイス・米・パン・マカロニ・芋

これを配ってバランスよい食事の啓発を行っていたそうです。
色で言うと、足りていないのは赤と緑。
でも、赤の食材は基本的に高いし調理も手間。
できれば大豆を食べてほしいけど、あまり食生活には取り入れられていない。黄な粉もそう。
緑は値段的に買えなくはないと思うけど、お母さんたちが食事を作っている風景を見ても、やはり野菜を使っていることは少ない。


そこで、そんな赤と緑の栄養素を補える魔法の木があるんですね。

それがこちら!モリンガです。以下ウィキペディアより。

ワサビノキ(学名:Moringa oleifera Lam.[3])は、ワサビノキ科唯一の属であるワサビノキ属で最も広く栽培されている種である。属名のモリンガの他、ドラムスティックの木(細長くて三角型の種鞘の外観から)、西洋わさびの木(根の味が西洋わさびに似る)、ベン油ツリーまたはベンゾイル木(種子から採れるから)等と呼ばれることもある。北西部インドヒマラヤ山脈の南麓や広く熱帯・亜熱帯地域で栽培されている、自生急成長する干ばつに強い木である。その若い種子の(莢)や野菜として使用されている。
皆さんも一度は聞いたことがあるのでは?日本でもお茶や粉として流通しているかと思います。いわゆるスーパーフードです。
ググっていただければわかると思うんですが、栄養素がびっくり豊富。ミネラル・ビタミン・植物性たんぱく質・アミノ酸・食物繊維・ポリフェノール…



かつ生命力がすごい。熱帯地域に生息するしている植物で、ベナンでも、その辺に普通に生えています。例え炭水化物に加えて、赤や緑の栄養素グループを摂取することが難しくても、モリンガさえ食べてくれれば栄養改善は図れる!


予防接種の時にピースコーの女の子がモリンガの有用性をお母さんたちに説明していました。でも、栄養があるよ!体にいいよ!と言うだけでは、実際お母さんたちがモリンガを手に入れて、食事に使う、毎日食べる、という行動に移るのは難しいと思いました。

そもそも栄養とは何か、なぜ大事なのか、栄養バランスが悪いと自分の体にどう悪い影響が出るのか、今母乳を与えている赤ちゃんの発育にどう関係してくるのか、そこから分かってもらわないときっとモリンガの重要性もわからない。


でも予防接種に集まったお母さんたちにそんな長々とプレゼンしたら飽きられそう。ただでさえじっとしてない赤ちゃんを抱いて聞いてもらわなきゃいけないし、できることなら早く家に帰って家事もしたいだろうし。活動にしていくなら、もうちょっと内容の熟考と工夫が必要。


と、ここまで書いといて私自身、実際ちゃんとモリンガを食べたことがない。
食事に取り入れる提案をお母さんたちにするなら、まず自分で使ってみなくちゃ。
実は一か月前、アボメカラビでホームステイをしていた時、食事では必ずと言っていいほどモリンガのお茶を出してくれていました。

最初は緑色のお湯を見てびっくりしたけど、ママに言って見せてもらったら、シトロネル(レモングラス)とモリンガを鍋に入れて煮立たせたものでした。ただ、毎朝これにミロやら粉ミルクを溶かして飲んでいたのであんまりおいしくなかった…。

ということで、まずはモリンガパウダーを探してみた。
マルシェで聞いてみてもなかったのでクルエカメ唯一あるスーパーマルシェ(といっても小さな雑貨屋さん)でようやく発見。

この小さなボトルで500Fcfa。これは皆買えんわ…。

もの値段を日本円に換算するとき、5で割ると大体日本円に換算できます。なのでこれは日本でいうと100円相当。でも、オリエンテーションの時に調整員さんに言われた言葉
「Fcfaの値段は5で割らずにそのまま日本円に換算して考えた方が現地の人の感覚に近づく」
ということをいつも頭に入れて考えています。

このボトルは500Fcfa。日本でいうと100円相当。100円か~。なら買ってもいいかな?って思いますよね。でも現地の人にとっての500Fcfaは、私たちが考える100円の価値とは違います。

なので、5で割らずにそのまま500Fcfa=500円として考える。現地の人の感覚にすると、これは500円もするってこと。この小さなボトルが500円で売ってたとしたら、買いますか?私なら買わないなぁ。

モリンガの粉、こんなに高いんだ。みんながもっとモリンガの大事さに気づいて、粉の需要も高まれば、安くなるのかな…と思ってラベルを見ていると、作っているのはなんとラロ!!ラロと言えば私の配属先が管轄する地域のKTL(クルエカメ、トビクラン、ラロ)のうちの一つです。
つまりご近所さん!生産者のアドレスと番号も書いてあるので、これは移動禁明けに行ってみよう!
因みに粉の匂いは抹茶のような、青のりのような匂いがします。
水に溶いてみた。苦くはないけど舌触りが悪いしのどに引っかかる。あんまり積極的に飲みたい感じではない。
粉ミルクに溶いたらちょっとはましになった。抹茶ミルクみたい。


粉じゃなくても普通に食べれるはず。その方が、庭に生えてるモリンガをちぎるだけだし簡単お手軽。なんか上手いこと食事に取り入れてもらう方法はないかな。
もしお茶として飲んでくれるなら、煮沸した水を飲むことにもなるので衛生面でも良い。ただ暑いからな…お茶なんて飲みたくないよな…だったら野菜としてご飯に取り入れてもらうかな…



栄養の重要性、モリンガの有用性が分かってもらえたとしても、手に入らなければ意味がない、食べ方がわからなければ意味がない。その食べ方が受け入れてもらえなければ定着しない。

モリンガを使った栄養改善のプロジェクトはアフリカを中心にいろんなところであるようなので、活動計画表を書くのはまだ半年先だけど、そんな成功例も参考にしつつ自分でちょっと研究してみようと思います。


日本や他の国でもモリンガあるとこも多いと思うので、皆さんもぜひ一回試してみてください。そしてもしいいアイデアや食べてみた感想をぜひぜひ教えてください。



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3 件のコメント:

  1. 懲りずにコメントするよ(笑)
    てかまさにゆまと同じこと考えてた!わたしも学校に健康教育いくのもアリじゃんって思ってたのさ!低学年には食育、高学年には性教育かなーなんて。先週小児科まわってたんだけど、子どもの栄養失調はほんとに深刻。育児放棄とかじゃなくて、ほんとに知識がないんだと思う。綺麗な身なりのママパパが心配そうに我が子を見守ってるなんてこともザラ。もちろん経済的理由でって感じに見受けられる人もいるけど。
    モリンガよく聞くよね。わたしも畑借りて育ててみようかなー。

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  2. コメント毎回嬉しいよ!\(^o^)/
    そうなのよ!学校行くの、良いと思うんだよね。学校に定期健康診断みたいなのがあるのかも知りたい。給食の事情とかも。
    他の国で活動する団体が、まず高学年の生徒に食育をして、知識を身に付けさせてその生徒達が同じ学校の低学年の子達に教える、って取り組みをしてて、それが出来たら一番ベストだな~って思った。
    それよね!食材買うお金あっても栄養あるもの摂取しなかったりとか、食材じゃなくてお洒落にお金使っちゃったりもするしね...
    いろいろ考えると、これ改善するのに2年で出来るのか...と途方に暮れてしまうよ。やってみるけどもね!!
    モリンガ、助産師さんがこないだママさん向けに病院内でピーナッツの粉とセットで1000fcfaで売ってた。えりか農園楽しみにしてるよ~!パパネ村でもぜひぜひ広めてー!!

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    1. へぇ〜、助産師が売ってるんだね。でも1000Fはちょっと高いね。この間小麦粉1kg700Fだったよ。うちのスタッフは栄養食品よりも靴とかアクセサリーとか売ってる(笑)農園やるか!モリンガの苗、パラクーまで行けば売ってるかな。ディレクターに相談してみる!

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