2018-10-04

着任1年!ついに中間報告とあの女がやってきた

学校での活動も一段落した7月。
着任1年経過した隊員にとっての一大イベントがやってきた!

中間報告会


国によってはやらないところもあるそうなのですが、ベナンは着任してから一年経った時期に、配属先で中間報告会というものを行います。
誰を呼ぶか、食事を出すか出さないか、プロジェクター使うか使わないかなど、形は隊員によりますが、私は割と大々的にやっちゃおう!と思っていました。

今までなかなか私の活動に関して配属先と話し合いを持ててなかったり、意見が食い違ったり、理解が限定的だったり、そもそも私の活動を知らない同僚も多かったり。

なので、自分が一年間やってきたこと、これからやりたい事、問題点、協力してほしい事をこの中間報告会で、配属先の同僚及び日ごろ活動に関わってくれている人々に伝えよう!ということで意気込んだわけです。

ということで配属先の会議室でプロジェクター使用、配属先長、カウンターパート、同僚、学校の先生、NGOの人々を呼び、軽食の提供ありという中間報告会に向け、わっさわっさと準備しました。
招待状書いて出席者リスト作ってタイムテーブル作って軽食の3者見積もりして…スライドも盛り盛りで…と、ここである人物から連絡が。

「ねぇ、思ったんだけどゆまの中間報告会行くのってあり?」
パパネの姉さん…!!

姉さんが同期の任地の中で行ってない場所がクルエカメだけだそうで、かつ8月にベナン外務省行われる合同報告会の保健分野の活動報告を姉さんと私で担当することになったということもあり、私の中間報告を聞いておきたいとのこと。

くっ来るのぉ~!?緊張しちゃうじゃん!姉さんに見られながら中間報告なんて!!
ということで来ました。
いらっしゃいましクルエカメ。同期任地制覇おめでとうございます!

報告会当日はコトヌーのJICA事務所から担当調整員さんと現地スタッフの方もいらっしゃいました。やぎちゃんも活動で忙しい中来てくれました。
聴衆は知ってる顔ばっかりだし、プレゼンの練習もしてきたけどやはりドキドキでつっかえる!しかし長丁場なのでだんだん慣れてきて、無事30分間のプレゼン終了。写真撮ってくれた姉さんありがとう!
もっと現地の人主体の活動に切り替えていきたくて、そのために一緒に協力してくれる人が外部にも内部にも必要で、2年目もできることは何でも挑戦したいってことを押したつもりでしたが…

同僚、途中で飽きる、携帯いじる、寝る。
配属先長、「もういい?もう終わったでしょ?いっていい?」

伝わったのか?!私の言いたかったこと!!

無事に一仕事終えて安心する間もなく不安がよぎる…。


でも先生たちやNGOの人たちは、報告会後の軽食タイムに話して、これからの私のやりたい事に意欲を見せてくれたり、次の予定を具体的に話してくれたり、向こうから活動の提案をしてくれたり。ありがたい。それだけでも来てもらってよかったなぁと思いました。

やぎちゃんもえりか姉さんも、優しい言葉でねぎらってくれてやっと一息。ありがとうございます…!
そんなこんなで、1年終わった節目の中間報告会を終えました。



さてクルエカメ滞在中のパパネ姉さんの様子を見てみましょう。

やぎちゃんの孤児院で暴れ回っ子供たちと遊んでくれたり、
赤ちゃんのお世話をしたり。



マルシェを探検したり。クルエカメに来たお客さんには記念で布を買ってやぎちゃんと私と3人でお揃いの服を作るのが恒例なので布屋さんを片っ端から回りまくって布探し。

因みにできた服はこれだよ!!新隊員さんの歓迎会で着ました。


姉さんまたきてね~!
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TV会議


7月の後半に、学校保健TV会議というものがありました。
世界中の学校保健に携わる、携わっていきたい、興味がある隊員がTVの回線を通して、同時に会議。
今回は学校、家族、地域との健康に関する取り組み をテーマに、
ブータン、カメルーン、ケニアの隊員が事例紹介をし、その事例を基に皆でディスカッション、意見交換、アドバイス、関連する各自の事例の紹介などをしました。

TV会議自体が初!そもそもベナンから繋がるの?!と思っていましたが、
ベナン事務所にはTV会議の設備がないとのことで外部機関(専門学校)をお借りしての参加でした。

時差の関係で中南米以外の18ヵ国37名の参加者があり、中には駒ケ根訓練所で一緒だった同期の顔もちらほら。

二時間ほどの会議でしたが、他の国の隊員の活動を知る貴重な機会だったし、活動のアイデアやコラボ事例もたくさん出ていて、自分も他の隊員の様に型にはまらず色々やってみたい!と思わせてくれた会議でした。

ほんとに世界中に隊員っているんだなぁと思ったし、国が違っても悩んでることやぶつかる壁は一緒なんだな、とちょっとほっとした。

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新隊員さん来た


2017年度1次隊の私たちがベナンに来て一年経ったということは!
隊次も一回りしてついにこの7月、2018年度1次隊がやってきました!2018年度!新鮮な響き…。

新隊員さんとは、着任した週の土日に行われる歓迎会で初顔合わせということが多いのですが、私はちょうど着任時オリエンテーション中の新隊員さんがいる事務所にたまたま用事があったので、新隊員さんとすれ違うことがありました。

総勢11名!ぞろぞろと通り過ぎていく新隊員さんの中で、私に声をかけてくれた方がいました。
「あの、ゆまさんですよね、ブログ見てます!母と!」

え~~!!
ありがとうございます~!!!しかもお母様と~!!なんてこった~!
いやはや、こんな私もベナンの人気ブロガーへの道はそう遠くない・・・ちゃんと更新しなければ・・・!


声をかけてくれたあすかさん。あすかさんのお母さん、見てますか~!
あすかさんの任地はロコサ。私の任地クルエカメから車で1時間弱のところにあります。
コトヌーへ行くときや帰ってくるときには必ず通るところなのでいつも街並みをみていますが、物流が良く、銀行も大学もあって西側ではとても栄えてる街です。

任地も近いのでぜひ今後ともよろしくお願いします。
移動禁明けには、美女の街クルエカメに遊びに来てくださ~い!


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2018-09-03

隔離された村で自分役に立たない件

6月の村での活動です。学校での活動編はこちら


村での活動へは一緒に活動してくれているNGOと行っています。

中心地から大分離れたところに、保健センターもなく学校もなく、水道も電気ももちろん通っていない上に井戸もない、という村があります。私たちが向かうにも、ボッコボッコの道をひたすら何十分もかけて移動しなければならない。

ベナンでは来客があった際に歓迎のしるしとして水をお客さんに出して飲んでもらうのですが、その出された水が濁っている。でも水道も井戸もないこの村ではこれがお客さんに出せるきれいな水なんだろうなぁ。NGOのベナン人も「これは飲めん」とパス。


マラリア予防の話で、夜は蚊帳をして寝てくださいという話をしますが、「皆さん蚊帳は家にありますか?」と聞くと、なんと誰も手を上げない。
いつもやっている保健センターでの啓発では、いつも来ている全員が手を上げるのに。

去年の蚊帳配布キャンペーン
去年国のプロジェクトで蚊帳の一斉配布してたやん!!と思って聞いてみると、蚊帳を配る仕事をする保健ボランティアがそもそも来ない、というより存在してるかわからない、保健機関に自分たちが認知されているか分からない。とのこと。確かにこんな辺境の地、こっちからも保健センターに行けないのに保健センターの人もそうそう来れたもんじゃない。

私たちは見捨てられている、と村人も言っていました。一緒に行ったNGOも前々から行政機関や保健センターに働きかけてはいるけれどなかなか取り合ってくれないとか。自分も配属先に相談したけどうやむやにされる。


マラリアの話の中で、「マラリアになったらどうするの?」と質問されて、いつもなら「すぐ保健センターに行ってください」と返すけど、ここの村の人は遠く離れた保健センターに行く術もなく、なんて返したらいいか分からない。
「蚊帳がないんだけどどうしたらいいの?」と聞かれて「夕方からは外に出歩かないで長袖長ズボンを履いて下さい」としか言えない。よく言うけどこれも非現実的。自分だって日ごろ長袖長ズボン履いてるわけじゃないし…。暑い時期にそんなかっこしてられないし…


水と衛生の話で手洗いをやってもらったときは、その手洗いに使う水が相変わらず濁っている。石鹸でどんなにきれいに手を洗ったって洗い流す水がきれいじゃなかったら意味ない。

同期のりかも小学校を回って衛生の話をしているのですが、りかと電話した時、「衛生やハエの働きの話はするけど、授業の中で手洗いの実践はしない。」といっていました。「きれいな水が用意できないときはどうするの?って子供に質問されたときに答えられない。」

マラリア予防のために長袖長ズボンで寝てください、という話もそうだけど、手は毎回石鹸使って洗って清潔な水で流して!水は煮沸して冷まして飲んで!濾過して飲んで!なんて、手間や習慣化することを考えても非現実的だし、自分も彼らと同じ環境で同じことをやれっていわれても面倒くさくて多分やらない。自分たちは今までのやり方でどうにかなってきたんだからいっか、って思う。そもそも石鹸も清潔な水も手に入らないし。

理想と現実は違う。啓発する以前の問題として、自分じゃどうにもできない事に直面することが多いです。どんなに啓発頑張っても実践できないんだから意味ない。自分がこの村でやるべき活動ってこれであってるの?今やってることって意味あるの?これで彼らの環境を変えられるの?とモヤモヤ考え込んで、落ち込んだり。


でも考えてもしょうがないので、事前にNGOこの日やろうと決めていたことはモヤモヤしながらやる。

ティッピータップ(手洗い器)の作り方をデモンストレーション。途中で雨が降ってきたので家畜小屋の中で説明を続ける。暗いしぎゅうぎゅうだし何がなんだか!

村人は自分の家でティッピータップを作り、完成したら村の代表が確認に行き、その家庭に石鹸を一つ渡す、ということにして、最後に村の代表に石鹸をひと箱渡しました。


帰り際、村の人々が水を汲んできている場所を見せてもらうことに。
この日は雨が降ったせいで、元からボコボコの道が余計にぐちゃぐちゃで、ビーサンで歩けたもんじゃない。途中からあきらめて裸足に。
到着。

連れて行ってもらった水源は池というか水たまり。一応小川の様にどこからか水が流れてきています。
雨上がりということもあり、より濁っている。ここから近い村人は皆、ここの水を使っているよ、水道も井戸もないからしょうがない、と言っていました。家畜も飲みに来るだろうし、いつ誰がお腹壊してもおかしくない。お腹に虫がいてもおかしくない。

 
二週間後にこの村を訪れたとき、20家庭中16家庭がティッピータップを作ってくれていて、子供達も私が前回話した通りに手を洗って見せてくれてましたが、どの家庭も容器の中に入っていたのは濁った水。煮沸した水を冷まして入れてほしい、とは伝えていたし、実際聞いても濁っているけど煮沸した水を入れていると言ってくれるけど、どうしても本当に…?と思ってしまう。
NGOの人は、日本の無償資金援助のプログラムを申請してここに給水塔を建てようと計画中です。

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ワールドカップ2018
6月といえばワールドカップがありましたね。ベナンでも日本人は大盛り上がりでした。
ちょうど先輩の送別会と日程が重なったので、コトヌーで皆で応援。


普段全くスポーツ観戦に興味のない私も、皆と一喜一憂、騒ぎました。周りのベナン人ドン引き。でもいいんです、たまには騒いで息抜きしなきゃ!!


サービスショット。ワールドカップケーキと緑。


次回予告!!
ついにあの女がクルエカメに…!!


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2018-09-01

学校の子供達と戦う

気付けば9月…!
最後にブログを更新したのは5月!!
なのに懲りずにブログを覗きに来てくださっていた皆様、ありがとうございます、すみません!!
以前とは逆で書きたいことはたくさんあるけど書いてる時間がなかった!いやいいことだ!

以下6月のハイライトでございます。6月は主に学校と村での活動が中心でした。村での活動編はこちら

学校では保健授業をやったり。写真撮りに来てくれたやぎちゃんありがとう!
1年生から6年生まで保健の授業をやりました。病気の予防や、衛生、栄養について。小さい学年には先生たちがアジャ語に翻訳してくれたり、説明を付け足してくれたりといろいろ手伝ってくれました。

・手を洗うよ!

水と衛生について話した後、二人一組で手を洗ってもらうのですが、石鹸付けてしばらく手をゴシゴシしてほしいのに、いくら説明しても子供たちは石鹸付けたらすぐ水をかけようとしがち。「ああぁまだ!水まだ!!待って!」と毎回必死に止める。
でも家で石鹸使って手を洗う事なんてないんだろうなぁと思ってしまう。


・HIV/AIDS

高学年は、一応授業でエイズについて学ぶことになっているそうです。私も一度授業を見学したのですが、「鋭利なものに触らない、血を触らない、安全でない性行為をしない」ということを生徒が黒板に書いて終わりでした。
「安全でない性行為ってなに?」と何人かの生徒に聞いてみたけど、誰も分かってない様子。
エイズの話を性の知識がある前提でするのか、血に気を付けよう、という話だけするのかって、難しいところですね。

私がエイズの話をする中でやるワークの一つに、「感染する?しない?」というものがあります。日常の行動が書かれた紙を、HIV感染のリスクが高い・低い・ないの三つに分けてもらう作業です。

HIVは血液感染する、ということは分かっているようでしたが、「蚊に刺される」「キスをする」が感染リスクが高い、に分類されていたり、「人の傷の世話をする」が感染リスクがない、に分類されていたり。ポイントは血だと分かってるけど、実際具体的な日常生活に当てはめてみるとリスクがあるのかないのか考えるのが難しい、と子供達からも言われました。なので一つ一つの行動でなんでリスクがあるのか、無いのかを説明して、逆に言えばリスクの高い行為だけ気を付ければ、陽性者とも普通に関われるよ、一緒に生活できるよ、という話につなげます。


この陽性者との共生の話は先生たちが身を乗り出してきて、私を押しのけて熱弁してくれた。先生から教えてくれた方が子供達にも伝わるのでありがたい。できれば先生主体でやってほしい。


・栄養
栄養では食べ物が三つの栄養素に分けられるよという話と、各栄養素の働きについて話しました。黄色のグループ食べないと力でないよ~、緑のグループ食べないと病気と闘えないよ~とか。

それから、「昨日何食べた??」と子供に聞いて、色ペンで紙に書き、三つの栄養素がちゃんと取れてるかを確認。
子供達は、いつも食べているものが何からできてるかちゃんとわかってるのでえらい!
パットやアカサ、ブイーがトウモロコシからできていたり、パンやスパゲッティは小麦粉からできていたり。ガリがキャッサバ、フロマージュは大豆!もしくは牛乳!料理と食材が頭の中でちゃんとつながっていると栄養の授業はとてもやりやすいです。

いつもとるのが難しい栄養素を補ってくれるチート食材がモリンガだよ!ということも話します。さぁ皆チートを使うんだ!おかあさんに今日の夕飯はモリンガソース作ってって言うんだ!!


この授業の後からは街で子供を見かけるたびに三つの栄養素ちゃんととってる?という意味でよく、「ねぇねぇ昨日何食べた??」と聞きます。

子「パット野菜ソース食べた!!」
私「おや、なんか足りない」
子「あ~えーっと」
私「赤いグループ足りない」
(パットが炭水化物の黄色グループの食べ物で、野菜ソースが緑グループの食べ物)
子「あ、大豆のフロマージュも食べたよ!」(大豆は赤のグループ)

いや絶対食べてないでしょ!!!
でも、ちゃんと自分が食べたものがどのグループの食べ物で、あとは何を食べなきゃいけないのか分かってもらえてるならありがたいです。


いやぁ子供たち本当に元気。授業中案外静かなくせに、休み時間になると襲い掛かってきます。もっとその元気を使って授業中発言してくれてもいいのよ?!
授業となると別人のように皆急に黙り込んで照れちゃったりしてなによ~。
授業中だったとしても先生がいないとそれはもう動物園。全くいうこと聞きません。
先生が見てもらえるときに授業しないと無理。


7月の学年末までに授業が一通り終わったので、この後は保健発表会ができればと企んでいます。
私がやった保健授業の内容を基に子供たちと一緒に劇や歌などを準備し、その発表会に保護者や地域の人を招待します。

でも生憎現在バカンス中。9月は新学期が始まってすぐでしばらく活動できないとのことだったので、10月から、できればいいなと思っています。

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そういえば病院の敷地に植えたモリンガが芽を出しました。


お世話してくれたおばちゃんありがとう!!大きく育て~!
目指せ病院でモリンガ活用!!

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