2018-01-14

明け方の騒動

外からの騒音で目が覚めて、時計を見ると朝6時前。
日曜日だしもうちょっと寝たい…でも外が異常なほどうるさい。


いつも夜うるさいビベット(飲み屋さん)の音楽とかの騒音じゃなくて、たくさんの人の声。叫び声も聞こえる。

二度寝しようとしたけどあんまりにもうるさすぎて寝れず、耐えられなくなってガルディアン(警備員)に

「外うるさいんだけど何?!」
と聞きに出ると
「盗みがあったんだよ」
と教えてくれた。


ガルディアンと一緒に外に出ると、家の近くにものすごい野次馬。
人々の真ん中にいるのは一人の青年と自転車。


私が外に出てきたのに気づいて皆口々に
「ゆま!こいつ自転車盗んだんだよ!!」
「ゆまもこっちきて見なよ!!」
と大人も子供も楽しそうに私を呼んで状況を説明してくれる。



自転車を盗んだという青年は皆から代わる代わる鞭で思いっきり叩かれ、そのたびに聞くに堪えない叫び声をあげて苦しんでいる。一方彼が鞭で打たれる度に周りは歓声を上げる。


聞こえてたのはこれか…。


「住民制裁」がある、ということは前から聞いていました。
村やそのコミュニティで誰かが何か悪さをしたら、住民全員が寄ってたかって制裁を下すというもので、その制裁とは主に暴力の事。ベナンだけでなく、他の国にも存在します。


前に聞いた例をあげれば、
ある日二人組の男性がバイクを盗んだ罪で警察署に入れられていたところ、住民の手によって警察署から引きずり出され、ボコボコにされた挙句二人とも死んでしまった、との事。


…怖い。



鞭打ちの光景も見るに堪えないし、彼の叫び声も聞くに堪えない。でも
「もうやめて。」
ともいえない。これが彼らのやり方だから。


「とにかくうるさくて寝れないよ」
とだけ皆に伝えて家に帰ってきた。それから30分くらいして騒ぎは静まったみたいだけれど、やっぱり目の当たりにした光景がショックで、その後も寝れなかった。



ベナンに来て、交通事情の悪さ以外で怖い思いをしたことは今まで一度もありません。
物を盗られたとか、暴力をふるわれたとか、家に侵入されたとか、全くない。
本当にうっかりすると平和ボケしてしまいそうなほど。


こんなに平和に暮らせているのも全部、この住民制裁があるおかげで日常的な犯罪の抑止力になり、その結果治安が保たれているからだと思うし、自分も日ごろこの住民制裁の存在に守られているとは思う。

でも実際、住民制裁が行われているところを目の当たりにすると、やはり異常な光景に見えてしまう。


もちろん盗みはいけないこと。
でも、日ごろ接している近所の人達が、パフォーマンスのごとく鞭で思いっきり人に暴力をふるったり、それを歓声を上げて楽しそうに見物していたり、子供がそれを見てはしゃいでいる光景にはさすがにショックだった。


これも文化の違いなのかな。


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